珊瑚花園通信インターネット版/1998年若夏号


<珊瑚花園通信はスタジオ・コーラル・ガーデンで発行している季刊誌です。97
年よりインターネット版に編集、公開しています。リンク・転載等ご相談下さ〜い>

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CONTENTS
	近況報告
	後2ヶ月で沖縄だ
	シチリア&サルデニアレポート1
	てだこのくわっちーコラム「パルミジャーノのすべて!」
	ひとりごと(編集後記)
	スタジオコーラルガーデンとは...
	
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  ♪今年は季節の移ろいが早い感じがしませんか?もう夏が始まっています...♪


                ●近況報告●

 GWも終わりすっかり緑色が濃くなってきました。花粉症もようやく一段落。でも4月19日
にイタリアから帰ってきて、下旬にすごい花粉症発作に見舞われたワタシ。アレルギー性結膜炎
も復活してGWは散々でした(ToT)。きっと東京アレルギーに違いない....(^.^;)。中旬になっ
て目や鼻も、ようやく落ち着いてきた感じです。(また秋頃少し復活して来るんです。)

 この頃の関東は雨が多く、梅雨入りしたみたいな感じですね。5月晴れは一体どこへ行ったん
だ〜(?o?)..でちょっとした晴れ間には強烈な紫外線で、あっと言う間に真っ赤(^.^;)。1年の
うち、5月が一番紫外線が強い月なんですって。日焼けしたらいけないと言うけれど、日焼けし
た方が、冬に風邪を引きにくくなります。毎年風邪を引く人は、美白ばかりに気を取られていま
せんか?日焼けが風邪を防ぐので、ちょっと今年は焼いてみましょうよ。



           ●あと1ヶ月ちょっとで沖縄だ● 

 今年の夏の『てだこと行く沖縄ツアー』は予想を上回る、約30名近くが那覇に結集します。
私が手配しただけでも17名!すごい〜。慶良間の珊瑚礁ピクニックツアーはなんと参加者20
名!\(@o@)/ビックリですね〜。満席の便も多くなってきましたが、JTAの深夜便は150席が
格安券なので、まだ比較的取りやすいようです。インターネットで予約もできますよ(^^)。

 ちょっとスケジュールをご紹介しましょう(^^)。7月9日(木)はレンタカーを借りて読谷村
(よみたんそん)にある壺屋焼き(つぼややき:沖縄の代表的な焼き物)の登り窯を見たり、ビッ
クリするくらい美しい青い海を見たり、海産物を食べたりしてドライブし、夕方には熱帯植物の
見事な「東南植物楽園」へも足を伸ばします。翌10日(金)には、「慶良間珊瑚礁ピクニック
ツアー」で慶良間の座間味島(ざまみじま)に日帰りし、夜は沖縄名物アメリカンステーキを食
べに行きます。11日(土)は昼間南部のハーブ農園などを見学後、オリオンビアフェストに突
入ヽ(^Q^)ノ。暑い夜に冷たいビールで乾杯です(^^)。12日(日)は、那覇の市場(マチグァー)
などを散策したり、買い食いしたり、お土産や食材などを買ったりしたあとは、市場内の大衆食
堂で沖縄の気取らない家庭料理(沖縄そば、とか、てびち、とか、チャンプルとかね)を堪能し
ます。金曜の夜、退社後深夜便(=20時半羽田発)飛んで、日曜の深夜便(=20時半那覇発)
で帰れば土日たっぷり遊べますよ(^^)。

 

           ●シチリア&サルデーニャレポート1●

 4月中旬、10日間の料理の旅に行って参りました。今回は、イタリア南部の島「シチリア島」
と、中北部の島「サルデーニャ島」に滞在しました。今回はシチリアのレポートです。

 シチリアは地中海の中心にある、ちょうど四国より一回り大きい島です。沖縄のように、世変わ
り(支配する国がころころ変わること)の激しい島で、ギリシャ、ローマ、アラブ、ゲルマン、
スペイン、イタリア、などなど様々な国の支配を受けたために、それらの国々の文化が色濃く残っ
ています。赤い壁に大きなヤシを庭に植える典型的なアラブ風住宅がとても印象的でした。ギリ
シャ時代に立てられた野外円形劇場は、世が変わるに連れいろいろな用途に合わせて改築され、
残されていました。料理にしても、アラブからアジアの食材やスパイスがたくさん流入し、イタ
リアの中でも際だった異質さを持っている島でもあります。しかし、やっぱりイタリアはイタリ
ア。マンマの味が世界一!?暖かい『おふくろの味』にいくつも出会いました。

 いろいろなお料理については、ボキャブラリーの貧困な私の文章よりも、ぜひ我が家のテーブ
ルで味わって頂くとして、全般的に「優しい味」でした。南イタリアの漠然としたイメージとし
て、もっと激しいすっきりした味わいを想像していたのですが、全くその想像は裏切られ、あく
までもやさしく、暖かく、まるい味わいの料理ばかりでした。奇をてらうでもなく、斬新さをも
つでもなく、新鮮な旬の材料だけを使った、とても平凡でごくごく普通の料理。ふと気づくとそ
れは日本の田舎のおかあさんの味とまったく同じなわけで、なるほどと納得したわけですが、そ
れがわかっただけでも行った甲斐があったと言うものです。素材は暖かい地域ですからどうして
も大味になってしまいます。それは仕方のないこと。日本海の冬の海の幸と、東シナ海の熱帯魚
の味を比べる事自体がばかげているのと同じで、ステージが違う物を比べる気にはなれません...。
それより、あの信じられないような深い青い空と、輝く太陽に育まれ、島中にたわわに実るオレ
ンジやレモンの美味しいこと!こんなに香りの優しいレモンは生まれて初めて食べました。ブラッ
ドオレンジのその名の通り、シチリアにしか育たない真っ赤なジュースの取れるオレンジのみず
みずしいこと。どちらも忘れられない味です。オレンジ畑の下草は、一面淡いブルーパープルの
絨毯。それはなんとボリジの青い花でした。(ボリジ=ルリヂシャ)雑草でもあるボリジの新芽
を摘んで春の草として味わうのだとか。プランターで一本ずつ過保護に育てていた自分が情けな
くなってしまった...(^.^;)。(その後からどんどん野生のハーブを目の当たりにしてカルチャー
ショックを受けまくったわけですが...)

 シチリアはエトナというちょうど富士山そっくりの活火山があり、夜になると赤い炎が見える
くらいの迫力で、風土的には日本と共通する部分もありました。歩いている人たちの顔つきが、
知り合いそっくりだったり、弟そっくりだったり(^.^;)。どうやら私もシチリア系の顔だったら
しく、違和感がありませんでした(*^^*)。昔から何故かシチリアに心惹かれていた訳が今解明?!
(笑)。アジア的な部分も感じることができる不思議な島でした。風光明媚な景色や、一面のお
花畑(もちろん野生の花)は、フィルム59本に収めて参りましたので(予想通り現像破産しま
した(T-T))、アルバムもぜひご覧下さいね。次号では(その次の次の号かも...(^.^;))サルデ
ーニャのレポートも少し書こうと思っていますので、お楽しみに。

 

     ●てだこのくわっちーコラム●パルミジャーノ・レッジャーノのすべて!●

 今回から連載開始のこのコーナー。私が、「美味しい!」と思って自分で食べている世界中の
食材をめぐるあれこれについてお話することにします。てだこは、私のハンドルネーム(ネット
上のペンネーム)で、"太陽の子供"という意味。くわっちーは、"ごちそう"。(いずれも沖縄方
言)第一回目はイタリアを代表する硬質チーズ「パルミジャーノ・レッジャーノ」をご紹介しま
しょう。

 10年位前まではパルミジャーノというより「パルメザンチーズ」と言う方が有名?でしたよ
ね。パルメザンは英語です。でもクラフト社の緑メタリック色の円筒パッケージでいわゆる「粉
チーズ」としてアメリカ経由で日本の食卓、パスタショップに蔓延(^.^;)しました。あの匂いが
どうも嫌い、って言う方!パルミジャーノの本物はあんな変な匂いはしません(^.^;)。何とも言
えない美味しい香りがします。(でもさ、大昔子供の頃はあれが嬉しくて山のように振りかけて
いたっけねぇ...(^.^;))

 パルマのチーズだからパルミジャーノ。パルマと言えば、北イタリアでも屈指のグルメ都市。
パルミジャーノ以外にも今後ご紹介していく予定のパルマの生ハム「プロシュット」や芳醇な酢
「バルサミコ」等数々の高級食材を生み出す地域でもあります。それらはみな、パルマ独特の風
土によって作り出されるのですが、今日はパルミジャーノを取り上げてみましょう。

 私がパルミジャーノの産地・北イタリアのパルマを訪れたのは、1997年の11月。チーズ工場は
各地にありますが、リミテッドエリアと言って限定された地域内で、協会で決められた規格通り、
つまり伝統的な製法を守っているかどうかなのですが、指定された工場で作られ、検査に合格し
たものしか「パルミジャーノ」を名乗れません。パルマ周辺の道をドライブしていると、ときど
き可愛いパルミジャーノ協会マーク入りの看板が立っていますが、それが指定工場の看板なので
す。工場の周りは見渡す限りの牛の放牧地。搾りたてのミルクを素早く工場に運び込むためです。
運び込まれたミルクはチーズができあがった2年後に、その出来映えによって支払われる料金が
決まるとか。なかなか厳しいですね(^.^;)。工場はどこも家内工業的で作業はすべて手作業です。

 ミルクを加熱し、牛の胃袋から抽出した凝固を促進する酵素「レネット」(イタリアでこれは
添加物扱いしていません)を加えて、固まらせます。麻布で漉して、チーズとホエー(乳精)に
分けます。まだ柔らかいチーズを型に入れゆっくりと水気を切り、パルミジャーノの点字模様
(毎年デザインを変え、"偽造"されないようにしているそうです)を付けた後、シチリアの海の
塩を溶かしたプールに泳がせさらに水分を抜き、塩味を付けます。そして、貯蔵庫にずらっと積
み上げ、ときどき表面を酢で磨きながら、2〜3年熟成させます。その途中1年目に検査があり、
中に気泡が入っていたりするとはねられます。はねたチーズは外側のパルミジャーノ点字マーク
の部分に×印を刻み「グラナチーズ」や、単なる「フレッシュチーズ」という名前に変え、パル
ミジャーノの半額程度ですぐさま市場に出されます。

 見事検査をパスしたパルミジャーノたちは、また1〜2年の眠りの後、市場に出ます。1個の
重さが約45キロ!そしてとても高価な物なので、借金の担保にもなるそうです。(銀行にはパ
ルミジャーノ保管庫があるとか)各工場では切りたてのパルミジャーノや、はねたグラナチーズ、
バターなどを販売しています。それらの美味しいことと言ったら!地元の人たちも車で買いに来
ています。日本ではパルミジャーノをごろごろと石ころみたいに切って食べることはまずしない
と思うのですが、向こうではそんな風に固まりに切って、おつまみにします(^Q^)。北イタリアで
ごく普通に飲まれている微発泡性の辛口白ワインとの相性も抜群です。うう。思い出すだけでよ
だれが...(笑)。濃縮されたミルクと、海の塩と、3年間の時間がぎゅっと詰まった味がします。

 イタリアの人たちはそんなパルミジャーノを、おつまみ以外にもちろんお料理にも使います。
それもただすり下ろすだけではなく、「だし」として使うんです。ちょうど日本人の「鰹節」と
同じ役目を果たしています。北イタリアの料理は乳製品を使うことが多いのですが、殆どの料理
に隠し味として使われています。塩を使うだけよりもコクが出て、味に深みが出ます。お家でミ
ートソース(ラグー)を作るときも、出来上がったソースに振りかけるだけでなく、煮込む段階
で少し加えてみると良いですよ。ぜひ試してみて下さい。

 日本で手に入るパルミジャーノ、なんか味が違う。そうお思いですか?私もそう思っています
(^.^;)。何となく、乾燥しちゃっているんですよね。香りが飛んでしまっている。仕方がないこ
とかも。というのは、パルミジャーノ、日本での価格は100グラム500円〜700円前後。
とても大きな固まりでは買えませんよね。だからちいさくちいさくカットしてのパック売り。
どうしても乾燥は免れないでしょう。所々にある白い点々、カビみたい!...あれはカビではあ
りません。うま味成分の結晶なんです。だから、点々があった方が美味しいですよ。それから
買ってきたパルミジャーノを保管するとき。ぴっちりとラップして冷蔵庫に入れたのにあっと
言う間にカビだらけ!(薄青いパンに付くカビみたいなのが出ます)このカビが出たらもうお
終いです(^.^;)捨てましょう。実はパルミジャーノ、3年も室温で熟成させたチーズなので、
思っているより空気が好きです。買った時に入っていた袋をそのままふんわりかぶせ、輪ゴム
で適当に止めて、冷蔵庫にしまって下さい。隙間から空気が出入りした方が良いのです。これ
で数週間OKですよ(^^)。(でもやっぱり乾燥するし、風味も落ち、冷蔵庫の匂いが付きやす
いので早めに食べきりましょう。)

 点字模様の入っている外側、あれはどうしていますか?え、外側を食べるのがすき?そりゃ通
ですね(笑)。外側の方は硬く、香りも強めです。でもいろんな人が触ったり、ブラシでこすら
れたりしているので、ナイフで薄く削ってから召し上がって下さい。スープにその皮だけ入れて
だしをとる方法もあります。(煮込むと柔らかくなって美味しくなりますよ。溶けません。)

 すごく美味しいパルミジャーノを手に入れたければ?もちろん、パルマに旅行すれば良いので
すが(^.^;)、それ以外にも方法があります。もし、イタリア観光に出かける機会があれば、ロー
マ空港の免税売店ですっごく美味しいパルミジャーノが手に入ります。(しかも日本の半額程度)
ローマは中部の方ですが、今やパルミジャーノはイタリア中で愛される世界的なチーズとなって
いるので、空港でも良い物が買えます。冷蔵ケースに入って売られていますが、真空パックになっ
ているので手荷物の中に入れておけば帰宅するまで問題ありません。(途中で寄り道する場合は
冷蔵庫に入れて下さいね)またローマに行かれるお友達にお餞別を渡してお願いするのも良いか
も(^^)。ローマ空港では、パルミジャーノの他に、いろいろなフレッシュチーズ、オリーブオイ
ル、など日本ではなかなか手が出ない食材もいっぱい売っていますので、要チェック☆ですね。

 また、都心には最近のワインブームのあおりを受けて、新しいフレッシュチーズ計り売り店が
続々開店していますね。もちろん現地で食べるのには及ばないでしょうけれど、大手スーパーの
空輸チーズより、きっと美味しいのでは...と思いますがどうでしょう。もう買われた方いらっ
しゃるかしら?皆さんからの情報もお待ちしていま〜す(^^)。



               ●ひとりごと● 

 若夏号、いかがでしたか。シチリア&サルデーニャは、まだ行ってきたばかりで頭の中の整理
がついていません。半年位すると落ち着いて思い出すことができそうです。撮影したフィルムは
結局59本。枚数にして約2100枚。毎度写真やさんも仰天で、初めの頃は「ど、どこかご旅
行でも?」だったのが、最近は慣れたもので「今度はどちらへ(^^)?」だって(笑)。現像から
上がって整理するだけで6時間。腰痛になりました(T-T)。でも、行かなかったあきやみんなのた
めに、代表で?撮影してきましたので、ぜひ見て下さいね(^^)。それと悲しかったのは、いきな
りレンズとストロボが壊れてしまったこと。(T−T)(T−T)(T−T)。写真代だけで破産なのに、帰
国そうそう極貧生活....(しくしく)。でもきっとまだ沖縄移住の前に、アジア各国にまだあと
数回は行くことになりそうだし、また貯金しなくては.....。(私の料理修行の区切りとしてイタ
リアは今回でとりあえず終了。もちろん、たった2回だけだから、全てを見たなんて言いません。
でも、私が知りたかったことは、少なくともこの2回で納得できたので、当分行かないでしょう。
やっぱりアジアをもう少し突っ込みます(笑)。)ではでは、次号は盛夏号で(^^)/

 

          ●スタジオコーラルガーデンとは...●

 スタジオコーラルガーデンは、ハーブ、クッキング、パソコン&インターネット、
トールペインティング、トラベル、パーティなどなど生活を面白くするスクール&ワ
ークショップイベントのスペースです。今後も皆さんのご要望など参考にしながら楽
しい企画をしていきたいと思っています。


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       珊瑚花園通信INTERNET版・98年盛夏号はもう少し先に掲載です(^^)。
           希望的観測で言えば、98年9月頃かなぁ.....。
                       
                           
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