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私は自分の店で、沖縄の食材を使って地中 海やイタリアの料理を作っているのですが「
なぜ、沖縄の食材にこだわるの?」とよく質 問されます。それは、その土地でとれるもの
食べるのがその土地の人間にとって自然なこ とだと思うからです。そして地元の食材はと
ても新鮮です。沖縄に限らず「地物」はそこ で食べるのが一番おいしいと思いませんか?
フィリッピンで台風が発生しただけで那覇 には風が吹き、私は週末の「いまいゆ」の仕
入れの心配をする日々。それでもやっぱり私 は近海魚を使います。海人が難儀して釣り上
げたミーバイが漁港のセリに持ち込まれ、仲 買人がそれをセリ落として那覇まで運び、私
が買い取って料理して、お客様の前にお出し する。たった一皿にもこんなストーリーがあ
るから面白いのです。これからも、さらに地 元の生産者の人たちともつながりを持ってい
きたいと思っています。きっと、隠れたとこ ろにもっとおいしいものがあるに違いないか
ら....(単にがちまやーなだけ?!)。おいし いものを生産するというのは、手間と根気と
お金がかかるものです。見かけが良く、安け れば良い、の時代はもう終わりました。ちゃ
んと作った、安全で、おいしいものを食べた いと思いませんか?
イタリア各地で地元の料理を年輩の女性に 習う時、手順などに質問すると、必ず返って
くる返事は「昔からずっとこうやっているか ら。こうやると無駄がなくおいしいから。」
それが、イタリアの伝統的家庭料理が守られ ている最大の理由でしょう。下ごしらえから
手を抜かず丁寧に作る。琉球料理もこれと全 く同じだなと思います。けれどもこの頃は本
土資本のコンビニやスーパーが増えて、沖縄 独自の味覚も本土風に変わってきています。
良いのか悪いのか....これは「作り手」が真 剣に考えないと手遅れになりそうですね。
そして、素材も大切だけれども、何よりも 大切なものがありました。沖縄で見つけた最
高の食材(?!)です。それは『てぃーあんだ 』。食べる人のことを思い、心を込めて作る
料理。それが一番おいしくて、暖かい料理。 東京では、これに似た言葉は「手塩にかける
」と言いますが、今の時代では悲しいことに 殆ど死語です。でも沖縄では見事に健在で嬉
しくなります。そしてそれに対する最高の褒 め言葉『ぬちぐすい』。これも素晴らしい言
葉です。これは東京にはない言葉で、おいし いものを食べ、味わう喜び、感謝、全てが込
められている感じがします。大好きな島・沖 縄で、これからも私なりのペースでおいしい
料理を作っていこうと思っています。
ウチナー口ガイド
※いまいゆ→近海活魚
※ミーバイ→魚の名
※てぃーあんだ→手油。手作りで心がこもっていること
※ぬちぐすい→命薬。命の薬になったように美味しいこと、長生きする、ということ。(食べ物に限らない)
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