沖縄タイムス週刊 「ほ〜むぷらざ」連載エッセイ 食の雑感
第三回 『うちなー野菜とハーブ』

 日に日に日差しが強くなってきて、市場に 積み上げられるウチナー野菜の緑色がどんど ん濃くなってきました。初めて沖縄を訪れた 17歳の夏休みにこれまた初めて口にしたゴ ーヤーチャンプルー。世の中にこんな苦い食 べ物があるのか!と驚愕した瞬間は今でも忘 れられないのですが、どうもこの頃のゴーヤ ーは苦くないんですけど。それは私が大人に なって苦味に強くなった?だけではないはず 。あの、苦味が良かったのになぁ...。

 ゴーヤーと違って、なかなか食べるチャン スがなかったナーベーラーの方は、その後1 0年位して八重山の海人の家でご馳走になり ました。たとえれば大地の味がする、という 感じかな。その時、ドゥージルと言う言葉も 初めて習いました。しみじみと体に染みわた る味でした。もっと早くトライしていれば.. とでーじ後悔。それ以来沖縄帰りの鞄の中に は新聞紙に包まれたナーベーラーがぎっしり。
東京でヘチマと言えば、小学校の観察日記用 か、化粧水、タワシしか使わないからね。あ んなに美味しいもの、きっと食べたらみんな 病みつきになると思うのに。

 他にもいろんな野菜があるけれど、本土の 八百屋さんの店先よりは東南アジアの市場に 積んであるものと似ています。ハンダマ、ウ ンチェー、イーチョーバー...。イーチョー バーは、フェンネルと言ってヨーロッパでも 魚と相性がよいハーブとしてよく使われます 。二日酔い防止に大人気のウッチンや、ジュ ーシーや山羊汁に欠かせないフーチバーも、 昔から沖縄ではごく普通に生活の中にとけ込 んで使われていたものでしょう。医食同源と いう言葉を、頭だけで考えるのでなく、普段 の家庭料理の中で自然に実践しているんです ね。でもそういう大切な食事も、本土化や欧 米化する食生活に塗り替えられつつあり、も ったいないなぁと思います。

 ところで、イタリア料理によく使う、バジ ルというハーブがあります。東京では一年草 として春の遅霜に遭わないようにゴールデン ウィーク頃に種をまき、秋の訪れと共に葉が 固くなり収穫終了していたのですが、なんと 沖縄では一年中元気元気。さすがインド原産 だけあって、蒸し暑い沖縄がお気に入りの様 子。同じく室内でしか越冬できなかったレモ ングラスも、こちらでは雑草の様に一年中ふ さふさです。花は咲いても実が付かなかった ローゼルも、たくさん収穫できます。今まで 身に付いていた野菜やハーブの栽培、収穫サ イクルが全く通用しない?ので、頭の中を修 正している所です。うちなーハーブだけでな く、外国原産ハーブにも天国の様な所・沖縄 へ引っ越して来られて、ハーブ好きの私は本 当に幸せです。

ウチナー口ガイド

※ナーベーラー→ へちまの幼果
※ハンダマ→水前寺菜
※ウンチェー→空芯菜
※イーチョーバー→茴香

以上文責 飯塚 未登利 2002 注意!無断転用転載厳禁!
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