沖縄タイムス週刊 「ほ〜むぷらざ」連載エッセイ 食の雑感
第一回 『食のパワー溢れるマチグァーにようこそ!』

 東京から沖縄へ移住して1年余り。ようや く新しい仕事にも慣れた2回目のうりづん。 今月から6回にわたってナイチャーでガチマ ヤーの私からみた美味しい沖縄の食や食材の 話を書いていきます (^^)。ゆたしくうにげ ーさびら。

 私は、『料理工房・てだこ(^o^)亭』とい う小さな地中海・イタリア風家庭料理食堂を 1人でやっています。東京では料理研究家を していましたが、プロの料理人修行など一切 経験無し。メニュー構成から食材の仕入れ、 下ごしらえ、調理、接客、後かたづけまで全 部やるのですが、大変だけど面白い。特に食 材の仕入れは趣味と実益を兼ねた?お買い物 なので、とっても楽しい。というのも、私の 店が、那覇の胃袋と言われるマチグァーのは ずれにあるからなんです。

 マチグァーは匂いと音の洪水!天ぷらを揚 げる匂い、鰹節を削る香ばしい匂い、お豆腐 屋さんの台車の音、ゴボウをひたすら切って いるおばさん達の包丁の音...。10年前も 20年前も殆ど変わらない音や風景。世の中 は目まぐるしく変わるのが当たり前!の東京 っ子にとっては驚きの連続。そしてカマボコ ならカマボコだけ、ターンムならターンムだ けをひたすら山のように積み上げて売ってい る光景もすごい。しかもお隣同士同じものを 売っててお店の境目がよくわからないんだけ ど、この頃ようやくわかるようになってきた (^^)。でも一体どこのお店で買ったらいいの か今でも迷う。馴染みの店でいつも買ってい ると、たまにはあっちの店でも買いなさいね ーって言われちゃうし...。

 私の故郷の街は、大型スーパーができてか ら一般の小売専門店が姿を消して久しく、ひ と言も口をきかないで買い物するのが当たり 前だったけれど、ここではそうはいかない! お店の人にどうして欲しいのか、どんな料理 をするのかをきちんと伝えないと目的のもの が手に入らないんだもの...。生前の姿が想 像できちゃう位の大きな豚肉のかたまりや、 つぶらな瞳が可愛いピンクのアカマチなんか を目の前にして、じっと黙ってても、な〜ん にも起こらない。沖縄でもスーパーしかない 地域もあると思うけれど、丸のままの生き物 を私たち人間が食べて生かされているのだと 言うことを、ちゃんと知っておくべきだと思 うから、たまには足を伸ばしてマチグァーの パワーに触れに来てはいかが?


ウチナー口ガイド
※マチグァー→沖縄県那覇市の中心にある市場エリア
※うりづん→沖縄の春
※ナイチャー→内地出身者
※ガチマヤー→食いしん坊
※ゆたしくうにげーさびら→よろしくお願いいたします
※ターンム→田芋・タロイモのようなもの
※アカマチ→魚の名前

以上文責 飯塚 未登利 2002 注意!無断転用転載厳禁!
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